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番外・天声人語 祈りの石塔、防災362年 論説主幹・山中季広2024年12月9日 5時00分

  • 執筆者の写真: 羅夢 諸星
    羅夢 諸星
  • 2024年12月9日
  • 読了時間: 2分

「難」「災」「悪龍」。年代順に並ぶ7基の石塔は古いものほど欠けているが、目をこらせばそんな刻字が判読できた。訪ねたのは宮崎市の日向灘沿岸。江戸期に起きた地震の記憶を子孫に伝えるべく住民が半世紀ごとに建て増した石塔群を見た



▼1662年秋に起きた「外所(とんどころ)地震」。住民が一夜で島ごと海中に没した外所村の被害が甚だしく、この名が付いた。揺れと津波で200人以上が犠牲になった



▼「地震の多い日向灘ですが、外所地震は桁外れ。だからこそ供養塔を半世紀ごとに造る誓いが守られました」と地域史に詳しい堤芳雄さん(73)は話す。被災民らは長大な堤防を築き、干拓に努めた。水田を復旧させるまで実に168年を要したという



▼堤さんに一帯を案内していただく。石塔群からほど近い津波避難施設は3階建て。備蓄庫や消防車庫も兼ねる。サーファーの集う海岸付近には2万3千人収容の避難高台が新設された。いずれも外所地震の被災域にあるが、いまの住民にとってはやはり南海トラフ地震に対する備えである



▼今夏も最大震度6弱の揺れに見舞われたばかり。津波も起きた。「揺れが来た瞬間、南海トラフか、いつもの日向灘地震かと考える余裕などない。大切なのは津波からどう身を守るか。それに尽きます」と堤さん。紙芝居で小学生に外所村の惨劇を伝える活動に励む



▼石塔に彫られたのは、まがまがしい文字だけではない。「民安」「穀豊」「善龍」。362年分の防災の祈りをかみしめた。



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