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(天声人語)解除された「非常戒厳」 2024年12月5日 5時00分

  • 執筆者の写真: 羅夢 諸星
    羅夢 諸星
  • 2024年12月5日
  • 読了時間: 2分

1980年5月。韓国・光州で中学生の息子トンホを失った母親は悲しみのあまり、棺(ひつぎ)を運んだ墓地の芝生をちぎってのみ込む。しゃがみ込んで吐き、またちぎって噛(か)む。「おまえの顔がどんなに青白くやつれていたことか。(略)銃で撃たれて血があまりにもたくさん出たから」



▼今年のノーベル文学賞に決まった韓国の作家ハン・ガンさんの小説『少年が来る』である。10年前に発表したこの作品で、ハンさんは光州事件を描いた。戒厳令の下で民主化を求める市民を軍が武力弾圧し、多数の犠牲者を出した。光州はハンさんが生まれた土地でもある


光州事件とは何ですか?

光州事件 韓国南西部・光州市で1980年5月18日に始まり10日間ほど続いた当時の軍事政権に抵抗する民主化運動と弾圧。 79年10月の朴正煕大統領暗殺で民主化への期待が高まったが、同年暮れの粛軍クーデターで権力を握った全斗煥政権は民主化要求運動の徹底弾圧に乗り出した。


▼トンホは一緒にデモへ行った友人を救えなかった自責の念から、身元不明の遺体が安置された施設で働き始める。遺体を整える若者たちを手伝いながら覚悟を決め、軍が来ると知りながらも逃げずに命を落とす。引き締まった文章が紡ぐ話は残酷で、読むのがつらくなる


▼物語からは戒厳令下の日常も垣間見える。夜間は外出禁止。軍人の検問で、身分証を持たない市民は連行される。出版物は検閲で黒く塗りつぶされる


▼韓国が民主化を宣言してから37年がたつ。それだけに一昨日の晩、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が「非常戒厳」を宣言したと知った時は耳を疑った。6時間後の解除でまた驚いた


▼国会前に集まった中には、光州事件の残虐な記憶がある人々もいただろう。それでも足を運び声を上げ、暴走を食い止めた。民主主義の力を感じた一方、大統領の言動の軽さが恐ろしくも見える。



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